所得税法で定められている領収書やレシートの保存期間は7年です。しかし、一定の時間が経過すると、感熱紙タイプの領収書やレシートは、保管状況によっては印字が消えたり、用紙自体がボロボロになったりすることも少なくありません。印字が消えてしまった場合、経費の支出を証明する証拠となるのかを解説します。
感熱紙タイプのレシート・領収書はなぜ文字が消えるの?
そもそも感熱紙とは、紙の表面に特殊な薬品が塗られ、熱を加えると発色する用紙です。インクやトナーを使わなくても印刷できる特徴がある一方、湿気を含んだり強い光に当たったりすると、文字がかすれてしまいます。そのため、感熱紙を内側に折る、陽に当たらないようにするなどして、文字が消えるのをなるべく防ぎながら保存する必要があります。
レシートや領収書の文字が消えた場合の経費計上方法は?
もし、レシートや領収書の文字や数字が完全に消えてしまっている場合、経費の支出を証明する証拠書類とはなりません。そのため、感熱紙でレシートや領収書を受け取ったら、余白に日付や金額、店名を記載しておくと良いでしょう。ほか、「内容を出金伝票に記入し、感熱紙タイプのものとホチキスで止めて一緒に保管する」「法律の要件を満たした電子帳簿保存をする」ことも有効策といえます。ただし、記入した内容が間違っていた場合は税務調査で指摘を受けることになるため、十分注意しましょう。
とはいえ、感熱紙タイプは長期保存には向かないのが一般的。印刷内容が消えて困るような高額な取引などは、感熱紙タイプではなく、手書きの領収書でもらうのが望ましいといえます。