【コワーキングスペース探訪記】ITエンジニアの“聖地”茅場町のCo-Edoを訪問!

こんにちは。ライターの斎藤充博です。今日は東京都の茅場町にある「コワーキングスペース茅場町 Co-Edo(以下、Co-Edo)」にやってきました。

 

なんでもCo-Edoは「ITエンジニアの聖地」と言われているくらい、ITエンジニアに人気のあるコワーキングスペースらしいのです。

 

でも、聖地ってどういうことなんでしょう。プログラミングってパソコンがあれば家でもできる仕事ですよね。コワーキングスペースまで行って仕事する必要あるのかな……?

 

僕が昔読んだ小説『すべてがFになる』(森 博嗣/講談社文庫)に出てきたITエンジニアは、絶海の孤島で開発を続けていました。いや、それは推理小説だから現実と関係ないのかもしれませんが……。

 

僕はITのことは全然わからないのですが、聖地に行ってみることでITエンジニアを理解できるかも。

ITエンジニアが経営するコワーキングスペース

Co-Edoを運営しているのは田中弘治さん。本業はウェブシステムやスマートフォンアプリの開発を行っているエンジニアです。

受付はタッチパネル式。席の状況と勉強会などのイベントが一目でわかるようになっています。まずはここで受付を済ませます。

斎藤:そもそもコワーキングスペースってどんな場所なんでしょうか? 普段あまり使ったことがないので……。

 

 

田中さん:基本的にWi-Fiと電源と机と椅子があれば、コワーキングスペースは成り立つと僕は思っています。エンジニアはそれで仕事ができますからね。

斎藤:こういう机や椅子もエンジニア向けだったりするんでしょうか?

 

田中さん:広い机を使っています。一般的に会議室で使われる長机って奥行きが45センチなんですよ。でも、ここでは60センチの物を使っています。ノートパソコンを使うときに肘まで机に置けるので、作業しやすいんです。向かい合わせになっても顔が近くならないしね(笑)

ただ、経営する立場からすると、広い机は空間効率が良くないんですよね……。僕自身がエンジニアなんで「エンジニアはこういう風にしたら仕事しやすいんじゃないか」という仮説の元にやっていますが。

 

斎藤:なるほど。田中さんが使いやすくすることが、エンジニア一般の人たちのニーズに適うんですね。

 

田中さん:椅子は知り合いのPCスクールが閉鎖するときに一括で貰ってきました。PCスクールで使っていただけあって長時間座っていられますよ。


斎藤:PCスクールの椅子! 完全に目的一致するところが、タイミングよく閉鎖しているのはすごいなあ……。

個人ブース、小規模の勉強会、大人数の会議にも対応している

こちらは月額会員用の個人ブース。個人用ですが、パーテーションが低くて、オープンな雰囲気です。ここで仕事をしているリナスさんは、フリーではなくて近隣の会社に所属している会社員なんだそう。

 

斎藤:どうして会社員の人がここで仕事しているんですか?

 

田中さん:リナスさんは今研修期間で、この後にほかの場所に配属になるかもしれないんですね。短い期間にオフィスに一つ席を増やすのも大変なので、ここで仕事しているそうです。

 

斎藤:なるほど。いろんな使い方あるんですね。

こちらはよく勉強会に使うスペース。可動式の台にセットされた50インチのモニタが2台あります。

 

田中さん:ここではよく“もくもく会”をやっています。

 

斎藤:もくもく会?

 

田中さん:集まってもくもくと勉強する、勉強会ですね。エンジニアの間ではよく使われる言葉なんですよ。

 

斎藤:黙って勉強するなら家でもいいような……?

 

田中さん:もくもくとは言っても、教えあったりもしますからね。集まったほうが効率的なんですよ。

ワンフロアまるまる使った貸し会議室。70名ほど収容可能だそうです。すべての机に電源がついているのはさすが!

ホワイトボードにはお知らせがズラリ。


田中さん:Co-Edoでは定期的なイベントが20個くらい開催されています。


斎藤:これって、サークルみたいな感じですかね?


田中さん:エンジニアは”コミュニティ”って言いますね。有志による勉強会を行っています。IT系の人たちって勉強会が好きなんです。僕はそういう文化が大好きで、ここは勉強会を開催しやすいように意識しています。

田中さん:”リブライズ”というウェブサービスで本棚の管理をしていて、ウェブ上からここにどんな本があるかすべてわかるんですよ。


斎藤:すごい。技術書を技術で管理しているんですね。

フリードリンクのおすすめは「スポーツドリンクのホット」、お酒を飲むのもアリ?

ドリンクは月額会員の人も、ドロップイン(一時利用)の人も完全に無料。ちなみに、田中さんのおすすめは「スポーツドリンクのホット」だそう。飲んでみたら甘くなくて水分補給にちょうど良さそう。

棚の奥にお酒を発見しました!


斎藤:あっ! ここでお酒飲んだりするのもアリなんでしょうか?


田中さん:全然アリです。僕はここをバーチャルな会社のようにしたいんです。会社に「ビール飲んじゃダメ」って規則は普通ないでしょう?

 

斎藤:それは確かにないような気がする……。けど!


田中さん:コワーキングスペースによっては飲酒可能な時間帯を設けたり、携帯電話での通話ができなかったりするところもあります。Co-Edoにはそうした制限をできるだけ作りたくなかったんです。

 

ビールはケースで備蓄されていました。エンジニアの方はビールが好きな人が多くて、Facebookにクラフトビールの写真を上げると反応がとてもいいそう。

なぜエンジニアがコワーキングスペースを始めたのか

斎藤:そもそも田中さんはなぜコワーキングスペースをやろうと思ったのでしょうか?


田中さん:エンジニアとして独立して、最初は個人規模で受託開発をしていました。ところが、段々とチームを組んで仕事をするようなことが増えてきまして。そのときにチームと打ち合わせをするのによく使っていたのが、コワーキングスペースだったんです。

そこで、コワーキングスペースってすごく面白いなって思って。SNSだと意外な人と意外な人が知り合いになったりするじゃないですか。それがリアルで起こるのがコワーキングスペースです。それが最初に興味を持ったきっかけでしたね。


斎藤:受託開発とコワーキングスペースって業態が全然違いますよね。実際にスタートするにあたって迷いはなかったんですか?


田中さん:受託開発をするだけだったら、上手くいかなくても赤字にはならないんです。でも、コワーキングスペースは家賃分の赤字から始まります。毎晩のように悩んでいましたね。

ある夜は「コワーキングスペースを絶対にやりたい」って思っていて、その次の日の夜は「いや、お金のことを考えたら絶対にこんなこと始めたらダメだ」ってコインの裏表みたいに思い直したりして。そんな時期が1カ月くらいありました。


斎藤:最終的な決め手は?


田中さん:かつて自分がコワーキングスペースを利用しているときに感じた”人がつながる体験”が、ほかでは味わえないものだと思ったんです。

コワーキングスペースで勉強会をやった人たちとは、実際に仕事でも協働できますね。「つながってよかったな」って思えるんです。これが異業種交流会なんかだとそうはいきません。名刺交換して終わりになっちゃう。


斎藤:そういう文化を自分でも作りたかったんですね。


田中さん:始めたときは、単なる願望でしかありませんでしたけどね。


斎藤:今後のCo-Edoの抱負はありますか?

 

田中さん:Co-Edoの理念がありまして。(Co-Edoだけじゃなく)「コワーキングスペースに関わる人を物心両面で豊かにする」というものです。働き方が多様化する中で、いろんな人にどんどんコワーキングスペースのメリットを享受していってほしいんです。

その中でCo-Edo自身も頑張っていかなくちゃいけないですね。Co-Edoが一度増床したときに、コワーキング業界がざわついたんですよ。「コワーキングスペースってスケール(拡大)できるんだ!」って。そういう風に持続可能なビジネスであり文化であるってみんなに知ってほしいんです。

だから僕の当面の目標は……更なる増床かな(笑)。そう書いておいてください。増床を目指します!

まとめ

コワーキングスペースって単なる場所ではなくて、知らない人と一緒に向上していく文化だったんですね。そんな場所を作って守っていこうとしている田中さんの情熱がビシビシと伝わってきました。もう、田中さんの目ヂカラがすごいんです。

 

さて、ここまでITエンジニアの話しかしていなかったのですが「Co-EdoはITエンジニアの方以外もウェルカム」なんだそうです。僕はライターですが、気分を変えたいときにITエンジニアの熱気にあてられながら仕事をしてみるのもおもしろそう。みなさんもコワーキングという文化を体験してみませんか?

Interview
コワーキングスペース茅場町 Co-Edo
コワーキングスペース茅場町 Co-Edo

住所:東京都中央区新川1-3-4 PAビル5F
TEL:03-5542-0470
料金:ドロップイン1日1,000円、2時間以内500円、月額利用5,400円~
営業時間: 10時~21時(月~金)、10時~18時(土日祝)
https://www.coworking.tokyo.jp/

Writer Profile
斎藤充博
斎藤充博

1982年栃木県生まれ。元大手ノンバンクの営業職。ライターとして体験取材記事を中心に多数制作している。
Twitter ID:@3216

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