日本で働く外国人の所得税は、住所の有無や居住年数がカギ!

最近では、日本国内で外国人が働く姿を見かけるのは珍しいことではなくなりました。日本で働く外国人の所得税について、日本人の場合との違いや注意点を解説します。

外国人の所得はすべてが課税対象ではない!?

日本で働く外国人も、もちろん所得税を納める必要があります。その仕組みや計算方法は、日本人の場合と大きく変わりません。ただし、課税される所得の範囲に違いがあります。

 

まず、日本で働く外国人の所得には、主に以下の3種類があります。

日本で働く外国人の所得の分類

  • 国内所得……日本国内で得たお金
  • 海外所得……海外で得たお金
  • 国内への送金……海外から日本国内に送金されたお金

 

では、すべての外国人がこれらに対して所得税を納める必要があるのでしょうか。実は、どのお金に対して納税義務があるかという範囲は、その外国人が日本国内に住所を持っているか、居住年数は何年かなどの条件によって定められています。

居住者と非居住者、永住者と非永住者の違い

日本にいる外国人は、いくつかに分類されます。まず、日本国内に住所がある、または現在まで引き続いて1年以上居所がある場合は「居住者」と区分されます。さらに、居住者の中で日本国籍を有している、または過去10年間に日本に住所、居所を有していた期間の合計が5年以上の場合は「永住者」と区分されます。これに当てはまらない居住者は「非永住者」で、それぞれ課税される所得の範囲が異なります。それ以外の外国人は「非居住者」と区分されます。

外国人の区分と課税の範囲

  • 永住者……すべての国内所得と海外所得に課税
  • 非永住者……すべての国内所得と、海外所得のうち日本国内で支払われたものまたは海外から日本へ送金されたものに課税
  • 非居住者……国内所得のみに課税

 

このように、日本に関わりが深いケース、居住年数が長いケースほど、課税される所得の範囲が広いという仕組みになっています。

日本で働く外国人の所得税において注意すること

あなたが外国人の個人事業主であれば、自身が居住者、永住者に該当するかどうか、所得のうちで国内所得以外に課税対象となる所得がないかを確認しましょう。

 

また、外国人を雇用している事業主であれば、彼らに対しても日本人と同様に源泉徴収の義務があります。ただし居住者か非居住者かによって、源泉徴収する所得税率が異なります(居住者の場合は日本人と同様ですが、非居住者は原則として一律20%とされています)。申告漏れや納税漏れは税務調査のきっかけになりかねませんので、どこまでが課税される所得となるか、その外国人が日本にどれくらい居住しているかの確認には注意が必要です。

 

今後、外国人が日本国内で働くケースはますます増えていくでしょう。正しい知識をもって、適正な確定申告、納税を心がけましょう。

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