親名義の家を事務所にしたら、親への家賃の支払いは経費になる?

親の名義の家を事務所に事業をしている場合、親に家賃を支払っている人は少なくありません。その際、家賃として支払った費用は経費になるのか、また家賃を受け取っている親は確定申告をする必要があるのか――。

 

実家で開業する場合の経費事情をおさらいします。

家賃の支払いを経費として認めてもらうためにはどうすれば良い?

親へ支払う家賃を経費として計上できるかどうかは、親と生計を一にしていないことが条件です。生計を一にしている場合は、経費として認められません。

 

また、家賃支払い分は全額経費として計上できるのではなく、事業をしているスペースが家全体のどれだけの割合を占めているのかを算出して按分する必要があります。たとえば、按分は客観的かつ合理的に説明できることが必要です。たとえば、事業用と個人用の比率を「事業用6:個人用4」とすれば、家賃が10万円の場合6万円が経費となります。

 

さらに、家賃の支払い方法にも注意が必要です。親に家賃代を現金で手渡しするのではなく、家の名義である親の口座へ直接振込みをして支払証拠を残しておきましょう。証拠を残さないと税務署から指摘を受けた際に家賃を支払ったという証拠を提示ができなくなってしまいます。

家賃を受け取った親がすることは?

子から払われた家賃の場合、親は家賃を収入とは認識しづらいかもしれません。しかし、家賃を支払っている側が経費計上しているということは、家賃を受け取っている側は「収入(売上)」として申告する必要があります。このとき申告する収入の種別は、不動産収入となります。売上資料は家賃が振り込まれた口座の通帳コピーで問題ありません。

 

さらに、不動産収入に対してもきちんと経費を申告すれば、節税にもつながります。たとえば、固定資産税や損害保険料などの支払い分が経費となります。ただし、前述の通り自宅の一部を事業用としているため、経費は事業用と個人用の比率に応じて按分が必要です。

 

税務署も経費の支払先が収入(売上)として確定申告をしているかをチェックする可能性は十分にあります。また申告期限を過ぎての確定申告は余計に税金を支払う罰則の対象になる可能性もあります。こういった落とし穴には気をつけましょう。

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