副業の確定申告で会社員も対象に!?税務調査のリスクと対策

※この記事は2020年12月24日に、税制改正にあわせ、内容を一部修正しました。

 

「税務調査」というと、大企業に対しての「ガサ入れ」や「マルサ」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。一般の会社員にとってはほとんど縁のない話です。しかし、ひとたび本業以外の所得が発生した場合、税務調査は決して他人事ではなくなります。

税務調査とは

国税庁が発表しているパンフレット「税務手続について(国税通則法等の改正)」では、税務調査について次のように定めています。

 

申告内容が正しいかどうかを帳簿などで確認し、申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合には、是正を求めるものです。

出典:税務手続について(国税通則法等の改正)

 

つまり税務調査とは、確定申告をする義務がある人に対して、申告した内容が適正かどうかを調べたり、そもそも申告をしていない場合には申告をするよう求めるものです。もちろん税務調査の結果、本来納めるべき税金を納めていなければ、正しい税金を納める必要があります。

副業が税務調査の対象となるのはどんなとき?

それでは、会社員が税務調査の対象となるのはどのようなときでしょうか。基本的に、本業の給与所得についてはあらかじめ所得税が天引き(源泉徴収)されており、会社が年末調整をおこなうことで手続きが完了します。

 

問題は本業以外に申告すべき所得があるケースです。具体的には副業による所得があったり、保険の満期、解約など一時所得にあたるお金の受け取りがあったりした場合です。特に副業については、未申告であればもちろん、申告をしていても収入や必要経費の計上が適正かどうかの調査がおこなわれることがあります。最近では国税庁から「無申告者(確定申告をしない人)」や「インターネットによる取引で収入を得る人」に対して重点的に調査をおこなうことが公表されており、副業をおこなう会社員にとっても税務調査は他人事ではなくなっているのです。

税務調査によるペナルティとは

税務調査によって申告していなかった所得が発覚したり、必要経費が否認されたりして税額が変更されると、所得税の修正税額を納めることになります。税務調査は通常3年分(最長7年分)おこなわれますので、修正税額も調査年数分発生することになります。
また場合によっては下記のような税金が発生することもあります。

 

過少申告加算税 10%(50万円までの部分)または15%(50万円を超える部分)

正当な理由があるときや自主的に修正申告をおこなった場合にはかかりませんが、税務調査で発覚した追徴課税に対してかかります。

 

重加算税 35%(※)

仮装隠ぺいにより過少申告をおこなったと判断された場合にかかります。

 

※その期限後申告等があった日の前日から起算して5年前までに、その期限後申告等に係る税目について無申告加算税(調査による更正又は決定の予知後に課されたものに限る)または重加算税を課された(徴収された)ことがある場合は、10%加算され、45%となります。

 

延滞税 原則14.6%

納期限から遅れた日数に応じて、延滞税が日割りでかかります。2018年の税率は、納期限の翌日から2カ月経過する日までは年2.6%、それ以降は年8.9%です。

 

※所得税以外にも、住民税、所得金額から算定されている各種公共サービスの利用にも影響する可能性があります。

税務調査の対策

税務調査の対象とならないために、また調査となった際の影響を最小限に抑えるために下記の2点を必ず確認しましょう。

 

  1. 確定申告義務の有無を正しく判定し、必要な場合は必ず申告する
  2. 副業の申告(収入、必要経費など)に関する資料、帳票は申告後7年間保管する※税務調査は最長7年間さかのぼっておこなわれます

 

税務調査は一度入られてしまうと多くの時間と労力がかかります。マイナンバー制度も始まり、税金や社会保険に関してはますます厳しくなることが予想されます。まず、自分が確定申告をする必要があるのかを確認しましょう。そして申告の必要があることがわかったら、期限を守って、適正な内容での申告・納税を心がけましょう。

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