住宅ローンの審査などで必要な「納税証明書」の請求先や手続き方法は?
住宅ローンの申告

個人事業主になると、所得税の納税証明書の提出を求められる場面があります。それはどういったときに請求され、どうやって手に入れるものなのかを解説します。

納税証明書はどういう場合で提示を求められる?

納税証明書の提示を求められる場面はいくつかありますが、代表的な例としては事業用や住宅購入のために資金を借り入れる際です。

 

給与所得者であれば、「住民税課税決定通知書」と「源泉徴収票」を数年分求められますが、個人事業主の場合はそれが「納税証明書」と「確定申告書」となるわけです。なお、連帯債務者となる場合にも、同様の書類が求められます。

 

<参考>
▼フラット35(住宅金融支援機構)|融資手続・必要書類

 

納税証明書には4種類ありますが、資金借り入れの際に必要となるのは、下記「その1」「その2」の納税証明書です。

 

・納税証明書(その1)・・・納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明
・納税証明書(その2)・・・所得金額の証明(個人は申告所得税又は申告所得税及復興特別所得税に係る所得金額、法人は法人税に係る所得金額です。)
・納税証明書(その3)・・・未納の税額がないことの証明(税目を指定した「その3の2」(申告所得税及復興特別所得税と消費税及地方消費税)や「その3の3」(法人税と消費税及地方消費税)の証明もあります。)
・納税証明書(その4)・・・証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明
出典:国税庁|納税証明書の交付請求手続

納税証明書はどうやって手に入れる?

納税証明書の請求先は、納税した先の税務署ですが、その請求方法と受け取り方法にはいくつかあります。それぞれ、手間や手数料などが異なります。

手数料だけを考えた場合、オンラインで申請して電子ファイルで受信する方法が最も安価ですが、事前に電子証明書の発行が必要です。

 

すでに確定申告の際に手続きを済ませている場合は良いですが、そうでなければその手続きが支障となるでしょう。また、提出先によっては電子ファイルでの受け付けを拒否される可能性がありますので、事前の確認が必要です。

 

なお、書面で納税証明書を請求する際には、「納税証明書交付請求書」「本人確認書類(個人番号カードまたは運転免許証など)」「番号確認書類(個人番号カードまたは通知カードなど)」が必要です。

 

直接、税務署窓口に出向く場合は印鑑を持参するようにしましょう。納税証明書交付請求書は、国税庁のウェブサイトに掲示されていますので、ダウンロードして用いることもできます。

 

▼国税庁|納税証明書の交付請求手続
※上記サイトの下部に[交付請求書様式・記載例]として、「納税証明書交付請求書」が掲示されています。

納税証明書は課税証明や確定申告書とは何が違う?

納税証明書と同様の書類として、「課税証明書」や「確定申告書の控え」があります。

 

いずれの書類も納付額を確認することはできますが、「課税証明書」や「確定申告書の控え」では納付したことの証明にはなりません。

 

場合によっては滞納している可能性もあるため、金融機関からは納税証明書を求められることが多いようです。ただ、支払い能力という観点から、売上金額や所得金額も必要となる情報ですので、確定申告書の控えは提出書類として準備しておきましょう。

 

住宅ローンを組む際など、個人事業主は給与所得者とは収入や納税の体系が異なるため、必要となる書類も異なることがあります。いざというときに慌てないためにも、事前にその書類の入手方法は押さえておきましょう。

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