個人事業主が廃業するときに必要な手続きとは
個人事業主

個人事業主が廃業するにあたって、どういった手続きが必要になるのでしょうか? 廃業することになったときに慌てないよう、必要な手続きについてまとめてみました。

ケース別、廃業手続きに必要な書類

個人事業主が廃業する場合は、廃業日から1カ月以内に「個人事業の開業届出・廃業等届出書」を所轄税務署へ提出しなければなりません。ただ、これで廃業の手続きは終わりではありません。

 

雇っている人に給料を払っている場合や消費税の課税対象者である場合、青色申告をしている場合などには、別途次の書類が必要です。

青色申告で確定申告していた場合の廃業手続き

「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出します。

消費税の課税対象者であった場合の廃業手続き

「事業廃止届出書」を提出します。

従業員を雇って、給与を支払っていた場合の廃業手続き

廃業後1カ月以内に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出します。

所得税を予定納税している場合の廃業手続き

廃業をした年に「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」を提出します。これを提出することで、予定納税額が減額または免除されます。しかし、提出していないと、事業継続時と同じように予定納税の金額を納めないといけないので注意が必要です。提出時期については以下の通りです。

 

【提出時期】
第1期分及び第2期分の減額申請については、その年の7月1日から7月15日までに提出。
第2期分のみの減額申請及び特別農業所得者の減額申請については、その年の11月1日から11月15日までに提出。
出典:国税庁ウェブサイト

廃業した年の個人事業税には注意が必要!

毎年、所得税の確定申告をしている人は、個人事業税の申告書を別途提出する必要はありません。しかし、廃業した年度に限り、廃業後1カ月以内に所得税の申告とは別に個人事業税の申告をする必要があります。

 

もし廃業した年に個人事業税の申告と納税をしていないと、個人事業税を必要経費にするタイミングを逃すことになってしまいます。万が一この手続きを行わなかった場合は、翌年個人事業税が確定した後に「更正の請求」で税額の再計算を行うことができます。しかし、個人事業税が確定してから2カ月以内に「更生の請求書」を記入し、税務署に持参もしくは郵送するといった手間が増えてしまうだけですので、個人事業税の申告も廃業時に一緒に行いましょう。

廃業後に発生した費用の一部は必要経費になる

廃業後にも、以前の事業に関連した必要経費が発生することもあるでしょう。その場合は、所得税法上の「事業を廃止した場合の必要経費の特例」で、廃業後に発生した費用もその一部を必要経費として申告することが可能です。廃業後の片づけなどで出た費用も忘れずに申告しましょう。

 

以上の手続きが1つでも漏れると、本来払わなくても良かった税金を払ってしまうハメになります。廃業の手続きに漏れがないように注意したいですね。

 

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