売上勘定科目の「値引」「割引」「割戻」とは?それぞれ何が違うの?

日ごろ、「値引」や「割引」といった言葉をよく耳にします。会計用語として、「割戻(わりもどし)」という言葉もあります。これらはすべて商品、サービスの価格を下げることを指しますが、その理由が異なります。今回は、そんな「値引」「割引」「割戻」の違いについて説明します。

値引とは?

会計上の「値引」とは、商品、サービスの質に問題がある場合に、その代金を安くすることをいいます。たとえば、不良品や破損品、内容物の不足などが該当します。

値引の仕訳例

・掛けで5,000円の商品を売り上げた。
売掛金 5,000円 / 売上 5,000円

 

・上記商品に汚れがあったため、500円の値引を行って、差額の現金を受け取った。
売上   500円 / 売掛金 5,000円
現金  4,500円

割引とは?

会計上の「割引」とは、支払期限以前に支払いがあった場合に、商品、サービスの代金を安くすることをいいます。もともと、掛代金の中には代金を後払いする期間に応じた利息が含まれています。そのため、支払いが早まった期間に応じて、その利息相当分を割り引くわけです。

割引の仕訳例

・掛けで5,000円の商品を売り上げた。
売掛金 5,000円 / 売上 5,000円

 

・期限よりも早く現金の支払いがあったため、500円の割引を行った。
売上割引 500円 / 売掛金 5,000円
現金 4,500円

割戻とは?

会計上の「割戻」とは、商品やサービスの量が多いことを条件に、その代金を安くすることをいいます。リベートやボリュームディスカウントと呼ばれることもあります。

割戻の仕訳例

・掛けで5,000円の商品(50円×100個)を売り上げた。
売掛金 5,000円 / 売上 5,000円

 

・まとめて買ってくれたことによる500円の割戻を行い、差額の現金を受け取った。
売上(売上割戻) 500円 / 売掛金 5,000円
現金 4,500円

 

このように、「値引」「割引」「割戻」は似た用語ですが、意味合いとともに仕訳科目も異なります。また、今回紹介した仕訳は代表的な例であり、売上高を総額主義か純額主義のどちらの表示方法を選択しているかによっても変わってきます。会計に関する規則と自身が適用している表示方法を確認のうえ、適切な仕訳を心がけましょう。

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