こんにちは。ライターの斎藤充博です。今日おうかがいするのは、東京都の高田馬場にあるCASE Shinjukuです。山手線の高田馬場駅から徒歩1分という立地にあります。
実はここ、ものすごくユニークなイベントを開催することが多いコワーキングスペースなんです。
靴を脱ぐコワーキングスペース
ここはCASE Shinjukuのフリースペース。一見普通のコワーキングスペースに見えますが……よく見ると……。そう、みんな靴を履いていないんです。
CASE Shinjukuは「土足禁止」。会員もドロップイン利用者も、入るときに靴を脱ぐことになります。靴を脱ぐと、一瞬でアットホームな気分になるから不思議ですね。
CASE Shinjukuの運営を担当している森下ことみさんに案内してもらいました。
森下さんを差し置いて、さっさと座る僕。アットホームな気分に浸りすぎたか。
斎藤:ちゃぶ台と座布団、ものすごくリラックスしますね……。
森下さん:お昼過ぎくらいに、よく座布団が3つくらい並んでいて、その一番端の座布団が二つ折りになっていることがあるんですよ。
斎藤:それって……。
森下さん:明らかに誰か寝てた後ですよね(笑)。
斎藤:気持ちよく寝れるコワーキングスペースって、なかなかない気がしますよ。
こっちにはバルミューダのトースター、ビアサーバーまである……! ちょっと、ここ、居心地よすぎです! もうここに住みたい!
会社とは別の仕事場を持ち、サードプレイスとして使う人も
こちらは、月額会員向けスペースの個人ブース。 机と椅子が入るくらいのスペースですが、仕切りが低めになっていて狭苦しさは感じません。ちなみにもっと広いスペースがほしい人は、別の階に個室オフィスがあります。
森下さん:コワーキングスペースという場所柄、利用者にはIT系の方が多いですね。
斎藤:変わった職業の人がいたりしないんですか?
森下さん:珍しいなと思ったのは、マンガの原作者さんですかね。あと声優のマネジメントをしている方とか。
斎藤:それは珍しい!
森下さん:ほかにも、かなり大きい会社の役員の方に使っていただいていたりもしています。「自分の時間がほしい」ということで、会社とは別の仕事場として契約されていますね。もっとも、忙しいみたいでそんなにいらっしゃらないんですが(笑)。
斎藤:まさに「サードプレイス」的な使い方。自分の場所を確保するのって、自分の時間を確保することでもあるんですね。
会員向けスペースの中にもオープンスペースがあります。気分転換したいときは、こっちでも仕事ができます。
ここのソファーも座り心地がいいですね。さっきのちゃぶ台もですが、「職場でいろいろな姿勢になれる」のは快適度が高い。指圧師としての立場からみると、デスクワークの疲れって結局「ずっと同じ姿勢でいる」ことが原因なので。
40人が集まった「大人のファミコン大会」
そんなCASE Shinjukuですが、利用者さん主催ですごく面白いイベントをやっているんです。
これは2014年に行われた「大人のファミコン大会」。
森下さん:利用者の方が「夏休みに友達の家で一日中ファミコンやっていたあの頃に戻りたい」という思いで開催されました。
斎藤 :クリーンでかっ! でも確かに小さい頃ってこのくらいテレビの画面が大きく見えていたかも……。
森下さん:利用者さんにIT技術者が多くて、その技術力を結集して巨大プロジェクタに投影しています(笑)。ちなみに、当日は「薄いカルピス」が飲み放題でした。
斎藤:夏休みの「薄いカルピス」わかる。けど、そこまで再現しますか……。
特大スクリーンのマリオのほかにも、懐かしいゲームタイトルがズラリ。全然遊びきれないけど、見ているだけでノスタルジックな気分になれますね。
みんないい笑顔!
森下さん:このイベントは40人くらい集まりましたね。CASE Shinjukuとしても全力で手伝って、ちゃんとしたイベントに仕上がりました(笑)。
斎藤:なんなんだこれ! 僕も行きたかったですよ!
全力でプレゼン「天下一品の集い」
こちらは2017年の1月に開催されたイベント。「天下一品の集い」です。
森下さん:ラーメン屋さんの天下一品ファンの人が集まったイベントです。
斎藤 :これ、何をやっているんですか?
森下さん:天下一品のスープって、別売りで買えるんですよ。それを持ち寄ってお鍋を作って食べています。
斎藤:めちゃくちゃおいしそうじゃないですか!
森下さん:お鍋を食べながら天一好きの方のライトニングトークをみんなで聞きましたね。これは、もうバカバカしすぎて、私もちょっと呆れました(笑)。
斎藤:さっきのファミコン大会もそうなんですが、バカバカしいけど全力なんですね。
森下さん:そう、みんなスペックが高い(笑)。こんな風に全力で遊べる人って、仕事にも秀でていることが多いと思います。
コワーキングスペースの外にも目を向けたい
斎藤:すごく個性的なコワーキングスペースだと思いました。「こんな人がCASE Shinjukuに向いている」っていうのはありますか?
森下さん:コワーキングスペースでは、仕事のちょっとしたところわからないところを、周りの人に教えてもらえます。でも、そういう場所だからこそ「周りの人に助けてもらおう」という人よりも「周りの人の力になろう」としている人に来てほしいです。同じ空間で同じ時間を過ごす。ただそれだけのことが、人の力になることがあるんです。そんなつながりが自然に生まれる場になればいいと思っています。
斎藤:コワーキングスペースは単なる場所の提供ということではないんですね。
森下さん:実はさっき説明したようなバカバカしいイベントをやることも、一緒にいる人たちがつながりあういい機会だと思っています。本来出会わない人たちが共通の「好き」の元に出会うのが面白い。ただ、イベントに関してはちょっと遊びすぎたかもしれませんね。全力で遊べばそこからなにか生まれるかもと思っていたんですが、正直そんなに生まれるものもなかったような気もしています(笑)。
斎藤:CASE Shinjukuの今後の展望について教えてください。
森下さん:今お話ししたような、コワーキングスペース内での交流がたくさん生まれるような場にしたいですね。それからもう一つ、外に向けても交流したいです。コワーキングスペースのメンバーはその中では交流できるのですが、意外とメンバーが固定されてしまいます。近所にある早稲田大学発のベンチャーさんや、大きな企業さんを混ぜこぜにしてゆけば、面白いことがきっとできるはず。現在そういう芽もいくつかあるので、いいものに育ってくれれば、と思いますね。
まとめ
遊んでいるみたいなイベントといっても、企画や運営をすることって、仕事の流れと一緒です。イベントを通して仕事のパートナーを見つけるって、自然な流れですよね。もっとも、そんなこと関係なく単純にすごく楽しそうなイベントなのがすごいところです。「天下一品の集い」は第2回の開催を望む声がたくさんあるようです。次回は僕も行ってみたいです。
ちなみに、CASE Shinjukuでは昨年末にシェアオフィス部分を増床したばかり。こちらも入居者募集中だそうです!