年金受給者でも確定申告は必要?60歳からの確定申告&税金講座
60歳の確定申告

総務省の発表によれば、日本の65歳以上の高齢者人口は3,384万人に上ります(2015年9月15日現在推計)。総人口に占める割合は26.7%。そのうち、確定申告をしなければいけない人の条件をご存じですか? 誰にでも必ず訪れるそのときのために、高齢者と税金、確定申告について解説します。

年金にも税金がかかる

高齢者の税金を考える上で避けられないのが、年金です。年金は、大きく分けて2種類あります。1つは国民年金や厚生年金などの公的年金等。2つ目は、公的年金等以外の生命保険契約等に基づく年金です。通常、これらの年金収入は雑所得として課税の対象です。

65歳以上には大きな控除がある

課税対象となる雑所得の金額は、原則として収入から必要経費と控除の総額を差し引いて計算します。

 

公的年金を受給する高齢者に用意されているのが、「公的年金等控除」です。公的年金等控除の金額は、65歳未満は最低70万円、65歳以上は最低120万円。青色申告の場合、そもそも基礎控除が38万円ありますから、控除額は65歳未満であれば108万円(70万円+38万円)、65歳以上の方であれば158万円(120万円+38万円)。つまり、公的年金等の収入がその額までであれば、課税対象にならない仕組みなのです。

年金収入でも確定申告は必要?

年金収入がある場合、確定申告は必要なのでしょうか?

 

まず、公的年金等の受給額が先ほどの基礎控除+公的年金等控除(65歳以上は158万円)の額を超える場合は、納税の義務はありますが、確定申告は必要ありません。課税対象となる所得の金額に応じて、所得税が源泉徴収されることになります。ただし、公的年金等の収入金額が400万円を超えると、確定申告の義務が生じます。

 

また、公的年金等以外の所得金額が20万円を超える場合も、確定申告をしなければなりません。公的年金等以外にも不動産所得や事業所得のある場合は注意が必要です。

 

働き手として現役を終えても、税金との付き合いは一生終わりません。いざというときに困らないよう、税制改正などの情報は日々しっかりとチェックしましょう。

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