新しく住宅を建てるとき、すまい給付金を受け取ったら確定申告は必要なの?

新しく住宅を建てる際や中古住宅を購入した場合、「すまい給付金」という給付金が国から支払われます。すまい給付金の最大額は50万円ですが、給付金を受け取った場合、

確定申告が必要な条件とは?すまい給付金と確定申告について解説します。

そもそも「すまい給付金」とは?

すまい給付金は、消費税引き上げの際に住宅取得者の負担を緩和するために創設された制度です。住宅ローン減税の拡充による効果が十分に届かない収入層に対して、住宅ローン減税とあわせて消費税率引き上げによる負担を軽減することを目的としています。

 

消費税8%時に住宅を購入した場合は、収入の目安額が510万円以下の人を対象に最大30万円の給付金が支払われます。10%時の場合は、収入の目安額が775万円以下の人が対象で、給付金の金額は最大50万円となります。制度対象期間は、2014年 4月から2021年12月までです。

給付額の計算方法

すまい給付金の給付額は、「給付基礎額」に持分割合を乗じて求めます(1,000円未満は切り捨て)。

 

給付額=給付基礎額×持分割合

 

給付基礎額は、住宅取得者の「都道府県税所得割額」をもとに決定します。消費税率8%で住宅を購入した場合は10万円、20万円、30万円の3段階、消費税率10%の場合は10万円、20万円、30万円、40万円、50万円の5段階があります。なお、都道府県税所得割額は、住宅購入時に住んでいた市区町村が発行する個人住民税の課税証明書に記載されています。

すまい給付金を受け取ったら確定申告は必要なの?

すまい給付金は、一種の収入です。これらは一時所得に分類され、所得税及び住民税の課税対象となります。課税対象となる一時所得の計算方法は、下記の通りです。

 

一時所得=(すまい給付金等の受取額-50万円)

※一時所得における税額は、確定申告で総合課税の計算をする際には1/2にする

 

一時所得には50万円の特別控除がつきます。つまり、受取額が最大でも50万円のすまい給付金は、課税の対象外。給与所得者など、ほかに確定申告の必要な収入がないならば、確定申告の必要はありません。

 

ただし、それは一時所得がすまい給付金だけだった場合。すまい給付金の交付年度に別の一時所得があった場合は、合算して50万円を超えたならば給与所得者であっても確定申告が必要です。

一時所得の例

  • すまい給付金、住まい復興給付金
  • 懸賞の賞金や福引で得た金品
  • 競馬や競輪など払戻金
  • 生命保険金の満期金や解約返戻金
  • 遺失物拾得者や埋蔵物発見者が受け取る報労金
    など

 

確定申告の際は、すまい給付金事務局から送付される「すまい給付金の振込みのお知らせ」という圧着ハガキを求められる場合があります。大切に保管してください。

 

なお、住宅ローン減税の計算を行う際は、住宅の取得価額から給付金額を差し引く必要があります。また、住宅ローン減税の適用を受ける場合、給与所得者であっても、初年度は確定申告の必要があります。

すまい給付金を一時所得に含めない方法も?

すまい給付金と住まい復興給付金は、国が支出する補助金等に該当します。そのため、確定申告書に指定の書類(※)を添付することで、給付金を一時所得の総収入金額に含めなくてよいことになっています。

 

※国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書(国税庁ホームページ)

 

ただし、この特例の適用を受けると、対象となる住宅を事業に使っていた場合、減価償却費に影響があります。減価償却の計算をする際に、住宅の取得金額からすまい給付金、住まい復興給付金の給付金額を差し引く必要があるのです。

 

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個人事業主の場合、いずれにせよ確定申告が必要です。ただし、国庫補助金等の特例を適用するかどうかは当年の資金繰りや利益(所得)を考慮し、受給された年に課税されるか、減価償却費を減らしつつ数年にわたって課税するかの違いがあるので、状況に合わせて選択が必要といえるでしょう。

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